智辯学園野球部OB会
(奈良新聞)
春の近畿大会を制し、勢いに乗る智弁学園。それでも「県では優勝していないので」と、小坂将商監督の表情は緩まない。
2002年の夏以降、甲子園から遠ざかっているせいだけではないだろう。ことしの3年生は、一昨年に急逝した上村恭生前監督に直接指導を仰いだ最後の世代。それだけになおさら、甲子園を渇望している。
1年から活躍してきたその主軸たちが最高学年になり、昨秋から「打の智弁」を象徴するような強打力を見せつけてきた。
力と技を兼ね備える個性派集団を束ねるのは、主将の佐藤。下級生のころは、勝気な性格が先走ったこともあったが、昨秋も今春も県大会で勝ち切れなかったことで、意識が変わった。「終盤や延長で負けてしまうのは、気持ちのどこかに甘さがあるから」と思い至り、チームメートへの声のかけ方ひとつにも気を配るようになったという。
今春は1番打者として、鋭い走塁でチームに貢献した。後ろに生多良介や岸本浩紋、西本大介、関本知矢ら強打者のほか、成長著しい2年生の茂山周平、土井翔平など破壊力抜群の打線を従えながら、「ここまできたら、だれが打ったとか個人の成績は関係ない」ときっぱり。「夏は負けたら終わり。チームが勝てたらそれでいい」と勝ちにこだわる。
奈良新聞ホームページより抜粋