選手の目線で助言

2014/03/19


17日、阪神甲子園球場での練習。「夢舞台」のグラウンドを踏んだ選手たちには硬さがみられた。コーチの亀岡秀郎さ(35)は「緊張してるんか」と気遣う声をかけながら、ノックを打ち込んだ。「してません!」。選手は軽快な捕球で応えていた。

 亀岡さんは2012年4月、智弁学園の社会科教諭になるのと同時に野球部コーチ兼副部長に就任した。1997年卒のOB。2年生だった95年夏、甲子園で4強入りしたときのメンバーだ。I学年上の小坂将商監督から主将を引き継ぎ、1番で遊撃手だったが、3
年の春夏は甲子園を逃した。

 進学先の関大でも野球部で主将を務めた。卒業後は和歌山県内の高校で野球部のコーチに就いた。選手のケアもできるように柔道整復師の資格も取り、母校にも時折顔を出して小坂監督とは連絡を取り合っていた。卒業から15年たって、小坂監督をサポートする役回りになった。

 指導する際のモットーは「選手とともに乗り越えること」。相談を受ければ助言をして考えさせる。気になれば「どう考えているか」を積極的に聞く。身ぶり手ぶりを加え、少しずつでも理解できるように心を砕く。

「気持ちが足らん!」。普段は温厚だが、選手を奮い立だせようと、言葉が荒くなることも。センバツ開幕を前に「強い気持ちで相手に向かわなければいけない」と力を込める。それでも「選手と同じ目線で指導してくれる」 (岡本和真選手)と思いは伝わる。

 母校のーチに就いて初めての甲子園。くしくも小坂監督と再び大舞台を踏むことになった。あの夏の一体感を選手たちに味わってもらいたい。「100%の力を出し切り、歴史を塗り替えてほしい」と期待する。全員の気持ちを一つにまとめ、大きな目標に挑む。   【鶴見泰寿】

モットーは「ともに乗り越える」